令和元年8月25日(日)、兵庫県教育会館ラッセホール(神戸市中央区)にて「阪神・淡路大震災25年記念事業 兵庫県女性消防団員活性化大会」が兵庫県と兵庫県消防協会の共催で開催されました。
消防団員の皆さまは、日頃からそれぞれの職業(会社員、自営業、公務員、大学生、主婦など)に従事しながら、有事の際は消防団員として活動されています。
兵庫県には42,152名(平成31年4月1日現在)の消防団員の皆さまが活躍されていますが、その内528名(平成31年10月1日現在)が女性消防団員の皆さまです。女性消防団員として、女性ならではの役割や視点を有する活動をはじめ、その活躍の場は今後さらに拡大するものと期待されています。
本大会は、兵庫県内の女性団員等が一堂に集い、活動事例の発表や講演を通じて、女性の消防団活動の一層の充実を図るとともに女性団員の増加を目指すものです。
大会当日は厳しい暑さにも関わらず、県内女性消防団員や各消防団幹部等関係者約350名が集い、岸谷兵庫県消防協会長、金澤兵庫県副知事の挨拶に続き、県内の女性消防団員の皆さんが活動事例発表や研修報告を行いました。 まず始めに神戸市長田消防団が「長田救命体操」を披露しました。オリジナルの曲と振り付けで、楽しく心肺蘇生法を覚えることができるように作られていました。また、神戸市灘消防団は地域住民と共に作成したオリジナル防災ソングを披露しました。どちらもとても覚えやすく、子どもから大人まで楽しく防災に取り組むことができる内容でした。
次に、小野市消防団は、小野市独自の避難所運営ゲーム(HUG)への取り組みを発表しました。小野市消防団ではHUGを、研修を受けた方がガイド役として避難所運営を主導し活躍していけるようにという意味を込め、「避難所運営ガイド研修」と独自にネーミングし、市民とともに防災に取り組んでいることなどを発表しました。 川西市消防団は女性消防団結成25周年をむかえました。その25年の歩みと共に日頃の活動内容について発表し、最後は25周年を記念して作成された防災ソングを振り付きで披露しました。
三田市消防団の樽口班長は、今年2月に日本消防協会で実施された「幹部候補中央特別研修女性の部」へ参加したことを報告しました。カリキュラムの内容が充実していることはもちろんのこと、全国から集まった女性消防団員同士、横の繋がりを作ることができ、非常に刺激を受けた3日間であったそうです。参加した皆さまからも、「参加してみたい」等の感想も多くあり、この研修会へたくさんの消防団員の皆さまが意欲的に参加の意思表示をしてくださることを期待しております。
そしてプログラムの最後では、日本消防協会から元東京消防庁丸の内消防署長の谷口由美子氏が講演をしてくださいました。谷口氏は、過去の災害や経験から変わってきたことなど、具体的に分かりやすく語ってくださり、避難所運営をはじめとする災害対策にしても、団員確保等の広報活動にしても、女性の目線が不可欠であることを教えてくださいました。 以上で全ての発表及び講演が終了し、最後は尼崎市消防団濱田百合子部長の閉会のことばで本大会は幕を閉じました。
参加した女性消防団員の皆さまからは、「分かりやすく市民へ防災を伝える方法として、歌やダンスは効果的だと感じた。」「楽しい雰囲気で覚えやすい。」「団員自ら地域に向けて活動されていることを知り、自分達に出来る事がないか考えるきっかけとなった。」などの感想がありました。男性の参加者からも「防火だけでなく、防災も考えて活動されている点がすばらしい。」「避難所という難しい内容を、女性目線で伝える方法が実践的だ。」「このような大会は、他の団と交流ができて良い。」というような感想がありました。
この度の大会で、女性消防団員だけではなく、男性消防団幹部の皆さまも女性消防団員の採用の有無に関わらず、その役割の重要性や可能性を再認識していただくことができました。 今後の活動がさらに充実し、兵庫の消防団全体の活性化に繋がることを期待しています。
最後になりましたが、この度の大会で活動事例発表及び研修報告、講演をしてくださった関係者の皆さま、本当にありがとうございました。 大会のプログラムについては、以下のとおりです。